【人事】役職定年と能力評価の難しさ

「役職定年」とは管理職などの役職に就いている社員がある年齢に達するとその役職を外される人事制度です。

 2013年の厚生労働省の調査では役職定年制を導入している企業は全体の34.1%ということで現在はもっと増えているでしょう。 

年齢的には55歳~60歳の間で実施されることが多いようです。
(参考リンク: https://ten-ki.jp/yteinen

ベトナムでは役職定年を導入している会社は聞いたことがないですね。 

定年退職との違いは、部長や課長といった「役職」は外れて、一般にはサポート的、アドバイザー的な立場(「専門職」「専任職」)になったり、なかには降格の上、かつての部下と同じ位置で働く場合もあるようです。


 

「定年退職」のように「ある年齢になったら、例外なく、退職する」と言うような制度は日本では「当然」として受け入れられています。


しかし、よく考えたら、それぞれの従業員の「能力」がキチンと評価され、それに応じた業務に配置され、それに見合った報酬設定になっていれば、一定の年齢で一律に「降格させる」「退職させる」などということは不要なわけです。 

しかし、実際には、業務遂行のために必要な「能力」などというのは星の数ほどあって、「この能力が高いなら、絶対に業績が上がる」とは言い切れないです。 

仮に「この能力は業績上げるには絶対に必要」というものが決められたとしても、それの「良し悪し」を正確に把握する、というのはなかなか難しいです。 

さらにいうと、仮に正確に把握できたとしても、今度は「評価する側」と「評価される側」では、「良し悪し」の認識がズレていることも多いです。
まぁ、一般に人は自分を高く評価しますし、長年、1つの会社で働いてきた55歳の人が自らに客観的で厳しい評価を下して、降格を申し出る、というのは、まぁ、多くはないでしょう。 

よしんば、そうしたいと本人が思っても、収入が減ることが分かっていれば、家族の生活や人生にも影響が出るので、自分一人の考えでは、なかなか言い出せないでしょう。
そもそも、日本の労働判例的にも給与などの「従業員にとって不利益になる変更」は容易にはできないですから。

そもそも、上記のことが全て出来る、としても、日本やベトナムのような「年功序列」の儒教的な考え方が根強く残っている国では、文化的にも、自分より年上の人に「あなたはこの能力が劣っているから役職を外れてください」と率直に伝え、年上を自分の部下として迎える、というのは、少なくない心理的抵抗を感じるでしょう。 

こういうことをつらつらと考えると「役職定年」という制度はやはり利便性はあると思います。 

ベトナムでも10年後くらいには導入を議論する会社が増えるかもしれないですね。

 ただ、この制度があると、
「この人、全く部長や課長の能力ないな」
という方に対して
「まぁ、でも、55歳で降格だし、そのままにしてやるか」
と厳しい能力評価をされないままになってしまう、というのは十分あり得ると思うんですよね。


結局、それによって割を食うのは、その方がポストから降りれば、後任として活躍できる若い方であって、やる気無くしちゃいますよね。

 「55歳以前でも、もっと能力について厳しい評価や処遇を行い、年齢に関わらない適材適所を実現する」という考え。

 一方でそうは言っても現実的には「能力のあるなしなんて、いくら人事評価を厳しくしてもハッキリいえないから、一定年齢でみんな役職を外れてもらった方がいい」という考え。
どちらが良いかは分かりませんが自分の中で意識して使い分ける必要があるのかなと思います。





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